夕暮れ、アフリカ西海岸に面するこの街は雨季を迎えて雲が空を覆っている。その雲の下を夥しい数の海鳥が、寝場所を探しているのか、高い鳴き声を響かせて飛び廻っている。日中の汗ばむ暑さは、海風が心地良く取り払ってくれた。
日本に家族を残してこの地に過ごして2ヶ月が経った。初めてでもない単身赴任だが、何時になっても慣れるものではない。気楽でいいじゃないかという者もいるが、入浴の後にスポーツニュースを観ながら妻の作る夕食を楽しむという、当たり前だと思っていたが、今になってみるとかけがえのない日常は遠くの彼方にある。求められるままに、自分の理想と夢を実現すべく働いてきたが、もう50歳を幾余年過ぎてしまった。成し遂げてきたことのあまりの小ささと残された時間の少なさを恨みつつ、それも少しでも前にゆくために、とにかく毎日を積み重ねていこう。
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