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地獄の季節ーランボー

そういえば、フランス人と話していても、あまり文学や哲学の話になったことがない。パリの地下鉄では満員でも分厚い単行本に読みふける人を必ず見かけるし、ラジオやテレビでも「本」番組は人気だ。「Lire」(読む)という読書雑誌は、その書評のわかりやすさで定評がある。

それなのにフランス人と本の話にならないのは、私のフランス語がよっぽど幼稚に聞こえるから、仏語の本など読まないと思われているのだろうか。それとも、そもそも私の周りのフランス人は本を読まないクラスなんだろうか。

日本人はどうかというと、実は私の周囲の日本人たちとも本の話はしたことがない。本は、ある程度プライバシーのレベルが高い話題なのだろう。

それでも、40代のある女性から、こういうメールをもらった。

ランボーの
「おれたちは清らかな光の発見に努める身ではないのか
季節の上に死滅する人々から遠くはなれて」
という詩の題名をご存知だったら教えてください。仏語で読みたいのですがなかなか見つからないのです。

彼女と私は、どこかでランボーの話をしたらしい。若い女性は、今でもランボーを読むのだろうか。彼女の引いたのは、小林秀雄の訳のはずで、翻訳のblogのcharlotteさんhttp://charlottefrancais.blog12.fc2.com/blog-entry-175.htmlに尋ねたら、やはり「地獄の季節」だろうということでした。

自慢じゃないが、この詩は高校時代にしっかり読んだので、頭の片隅にはありますが、なにせ37年ぐらい前のことですので、原文を調べてみました。

L'automne déja! Mais pourquoi regretter un éternel soleil,si nous sommes engagés à la découverte de la
clarité divine, loin des gens qui meurent sur les saisons.(Rimbaud Poesies,folio classique)


読んでみると、その前に「もう秋だ!しかし何故永遠の太陽を悔やむのか」(MOI訳)があるのですね。小林の「清らかな光」は原文では、「神々しい光」または「神の光」です。「清らか」だと、ちょっと仏教風かもしれません。
最近の「ランボー全詩集 ちくま文庫」宇佐美 斉 (翻訳)
では、どんな風に訳してあるのか、興味があります.

小林秀雄の訳、悪くないんじゃないですか。

「ランボー全詩集 ちくま文庫」宇佐美 斉 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480031642/250-3336817-6305059

は、膨大かつ詳細な脚注があり、とても勉強になります。
先の詩は、「地獄の季節」の「別れ」として訳出されて、下記のようになっている。Charlotteさんから指摘されたsurの解釈の違いがわかりますよ。

すでに秋!ーしかしなにゆえに永遠の太陽を惜しむのか。私たちが聖なる光明の発見につとめているならば、−季節の推移に従って恍惚の死を遂げるひとびとからは遠く離れて。


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4件のコメント

[C25] ホッ。

こんにちは!

わたしの裏覚えがあっていてよかったです(笑)。「翻訳ブロク」とは恐れ多いです。

小林秀雄のこの部分の訳については「清らかな光」という部分もおもしろいけど、「季節の上に・・・」という部分、「季節によって・・・」とか「季節のために・・・」って意味かなと、軽くつっこみをいれておきます(笑)。詩の場合は日本語のほうがやはり硬くて難しいですね。

[C26] 眼の付け所が違います

ありがとうございます。surですね、翻訳される方の目の付け所は違いますね。意味が変わっちゃいますから。ところで、この「季節」、70年代に東大卒で銀行員しながら歌手をしていた、誰でしたっけ、あの人の歌に多いのですが、多分この詩の影響では、と馬鹿なことを考えました。

[C27] 翻訳書がいっぱい

ランボーのこと書きたいと思って、いろいろ調べているところですが、いろんな翻訳書が出ていて興味深いです。
訳するひとによってだいぶ詩のイメージが変わるようですが、最初に読んだもののイメージが大きくなってしまうのでしょうね。やはり原書で読むのが一番かなと、改めて思っているところです。

記事をアップするまで、時間がかかりそうです。。。

[C30] CharlotteさんのBlog、楽しみ

詩は、やっぱり原書ですよね。フランス語を始めたきっかけも、実はランボーを読みたいというものでした。小林秀雄も金子光晴も粟津則雄も、それぞれいいけど、やっぱりランボーの声を聞きたいと願ったのが、高校の頃です。あー、それなのにこのフランス語の上達しないことよ。岩波の「フランス名詩選」では、渋沢孝輔という人ですね。最近は、自分で読み、いろいろな人の翻訳を「ある解釈」として読む、新たな楽しみを感じています。
ですから、CharlotteさんのBlogは、楽しみなんです。

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