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大西洋を越えた18年の恋ーボーボワールとネルソン

Lettres à Nelson Algren


Simone de Beauvoir
Lettres a Nelson Algren


A Transatlantic Love Affair: Letters to Nelson Algren (ハードカバー)
Simone de Beauvoir


シモーヌ・ド・ボーボワールとアメリカ人作家ネルスン アルグレンとの恋愛書簡です。1947年から18年間かけて続いた、大西洋を越えた恋の記録です。書簡といっても、男性側の手紙は、男性側の家族からの反対(らしい)で掲載されていません。男性も作家なので、掲載されれば、より興味深いものになったと思うのですが。
私はフランス語版を読みましたが、ボーボワールは英語で書いたのですから、オリジナルは英語です。

ボーボワールといえども、この書簡の彼女は生身の女性、恋の喜びと苦しみが切々とに伝わってきます。彼女は18年間3日に1度は書き通けています。今なら、電話もあれば、e-mailもありますが。1947年の当時のリモートラブは、そうはゆきません。どうしようも無い時は、それでも電報を使ったと記されています。

恋のやりとりだけではなく、その背景となっている時代の雰囲気、実存主義の作家達のパリの空気や、戦争直後のロンドンの様子も鮮やかによみがえってきます。彼女が、アメリカ人作家の彼に、当時の最先端を走っていたカミュの異邦人や、サルトルの小説を彼に読むよう勧めているのも、おもしろいと思いました。

彼女が、自分の仕事部屋を語るところがあります。細やかに部屋の情景を描写した後で、「とても汚くて、あなたには見せたくもない部屋だけど。ここで仕事をして、ここで戦い、いつかは何らかの良識にたどりつける場所なの」と語りかけています。一人の女性、歴史に残る偉大な仕事をした哲学者の内面が垣間見えるところです。
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2件のコメント

[C209] 18年・・・

ボーボワールといえば、サルトルですよね!わあ、びっくりです。
18年間、3日に1度書き綴るLove Letter...
そんなに想いが強くても、実らなかったのですねぇ。
大人の恋なんですねぇ。。

[C211] サルトルですね

3日に一度手紙を書く思いの強さ、それも18年間という長さに感銘を受けます。
ネルソンは、妻の許に戻ったらしいですよ。
ボーボワールには、サルトルという存在が常にありましたし、そもそも「恋が実る」という感覚があったんでしょうか。

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